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【トレバ】「原価率を下げろ」の従業員指示 「獲れない台」を作らされたのはなぜか?

サイバーステップ 株価下落で買収リスクと社長持株は購入価格割れ間近

こんにちはテゲレッドです。

サイバーステップについてブログを書くのは久しぶりです。

もう既に同社株は持っていませんが、一時は保有しており株主総会にも出席して質問したりもしました。現在保有していない理由は同社株を「一点信用2階建てし、株価下落で自己破産しそうになるくらい負けてしまったため」というのが本音です(笑)

アホですよね。縁が深いと言われればそうかもしれません。

さて、同社が提供するオンラインクレーンゲーム(以下、「オンクレ」)・トレバの記事がヤフーニュースのトップに掲載されていました。

メディアは「ねとらぼ」で『オンラインクレーンゲーム「トレバ」、従業員が証言 「景品獲得されぬよう裏操作した」「1000回やっても獲れない」』です。

過去同社株で負けたことを理由に「ねとらぼ頑張れ、サイステをもっと追い込め」という記事を書くつもりはありません。

今回ブログを書こうと思ったのは、なぜ内部告発者が現れるまでの事態になってしまったのか、その根本的な原因を投資家的な観点から指摘してみようと思ったからです(もう投資家ではないけど)

ご興味あればお付き合いください。

ねとらぼ記事で気になる部分

全原稿を読んで気になったのは幹部上司からの指示です。

以下、引用です。

原価率を下げろ」「とにかく獲れにくい台を作れ

原価率は「景品の仕入れ価格÷売上×100」で計算され、「トレバ」の場合は大体20%前後が目標とされていました。しかし、この原価率というのは、あくまでも“有料プレイ”を行ったお客さまが対象になるので、無料プレイ分(※)も合わせて計上すると獲得確率は数パーセント、ひどい台だと1%を切っているというものもザラにありました。

事業部の総責任者である幹部から「原価率を下げること」と「売上を上げること」について厳しい指示が毎日出されています。

例えばある筐体の景品が「1000回目のプレイで1つ獲得」されたとします。この場合、普通に考えると獲得率は「1/1000」で計算されますよね。しかし、「トレバ」では毎日無料プレイチケットを配っている関係で「1/有料プレイ分」という計算になっているんです。つまり1000プレイの内、無料プレイが950回、有料プレイが50回だとすると、本当は「1/1000」なのに、内部では「1/50」という評価になるんです。

引用元:ねとらぼ

幹部が原価率を厳しく管理している点については、投資家的な立ち位置から考えると好感に思うところですが「獲得確率は数パーセント、ひどい台だと1%を切っているというものもザラにありました」という元従業員の声を読むと額面では好感に受け止められません。

元従業員の証言でも入社当初『原価率は「景品の仕入れ価格÷売上×100」で計算され、「トレバ」の場合は大体20%前後が目標とされていました』ともあるように、素人感覚的にも遊戯としてこのぐらいが適正と印象を受けます。

詳しい方から適正原価は30%では?などという意見もありそうですが、ここには送料コストが含まれていませんので20%は適正と思いました。

クレーンゲームの仕入原価は高くとも800円程とされており、原価率20%なら獲得単価(売上)は4,000円前後。ワンプレイ200円なら20回で取れる想定になります。

仮に原価率10%なら8,000円、5%なら16,000円の売上で、獲得にかかる有料課金の手数は40回、80回ということになります。

なぜ原価率(獲得率)を厳しく管理しなければならなかったのか①

しかしながら、よく読むと「ひどい台だと(獲得率)1%切っている」のもあると書いてありますが、これは無料プレイ分も加味されてた獲得率となっており、記事だと現在の有料分プレイ分の獲得率が具体的に分かりません。

もし「無料プレイ分も原価率に含めるべきだ」とするなら、今後トレバの無料チケット配布はなくなるのではないでしょうか。

同社サービスは当初無料ログインチケットが毎日1枚だった時期から2枚に増やした時期があり、ほかにもチケット配布イベントなどプレーヤー数が増加するに伴い、ユーザーを引き留めるための無料及びイベントチケットを配布してきた経緯があります。

元従業員はサービス側にいたにもかかわらず無料チケットが増えている現状を抜きに、無料プレイ分も含めた獲得率で声を上げるのには違和感があります。

例えば無料チケット2枚だけで楽しむユーザーが5人並べば10回は無料で稼働させることになり、初手のみ無料プレイなら5回の稼働です。

このように無料プレイのプレーヤーが何人続くか、何枚持って並んでいるかで獲得手数は大きく変わり獲得率も下落します。

元従業員なら無料プレイ分だけで楽しむユーザーが増えてしまっている幹部の”ダメ施策”に声をあげるべきなのではないでしょうか。

無料チケットは減らす、または台を分けたらどうか

ユーザーも取れる台、取れない台を他人のプレイを通じてウォッチしています。

ユーザー引き留めのために無料チケットを配り過ぎて、適正な回数で取りにくくせざるを得ないのであれば、有料課金者はますます減るだけです。

株探

ここ1年~2年、四半期ごとの売上が横ばいなのを見るとユーザーも取りにくいことに気づいており、それが数字にも表れているような気がします。

稼働率減となることは否めませんが、デメリットの面が強くなってしまった無料チケット配布施策を少し改めるべきポイントに来ているのと、無料チケットで遊べる台をより限定的にした方が良いのかもしれません。

会社側はウォッチすべきKPIを変えていくべきではないでしょうか。

原価率厳格化の理由その② 海外送料コスト

私の見解では、ここまで「原価率(獲得率)を下げろ」と指示しなければならなかった原因に「海外配送費のひっ迫」もあるのではないかと見ています。

こちらは英語版トレバサイトの送料ページです。

ユーザーが払う送料額一覧のため、サイバーステップ社が実際に配送会社へ支払っている個別の送料というのは分かりませんが、少なくとも1,000gまでの商品を送るのに20,000TP(日本円で約2千円)をユーザーが支払わなければなりません(南アメリカ/アフリカは23,800TP)。

景品が重くなるにしたがい、送料コストが上がっていくのも図から確認できます。

この送料コストを全海外ユーザーが支払ってるなら別に何の問題にもならないのですが、トレバは7日に1度なら送料無料の施策を海外でも実施しています。

画像だと文字が小さくて読みにくいのですが、一部赤字で書かれているところを読むと下記のように記載があります。

Free shipping campaign currently in progress! (Available once every 7 days. Not available for South America / Africa)

現在送料無料キャンペーン中! (7日に1回利用可能。南アメリカ/アフリカでは利用できません)

出典:海外トレバサイト

このコストはもちろん有料課金者の負担にて賄われています。

トレバは国内と海外のプレーヤーを分けて遊べる仕組みになっておらず、こうしたキャンペーン施策費用を会社側は的確に見積もることができません(ユーザー数から推測はできるでしょうが)。

世界に一律無料チケットの配布だけならまだしも、地域によって送料コストが異なるのに、ほとんどの国のユーザーに対して7日間に1度の送料無料になる施策を行ってしまうと、高いコストに寄せて獲得率を考えなくてはなりません。

そうなると不利益を被るのは本来送料コストが低いはずの国内課金プレーヤーです。

※ちなみに国内プレーヤーの負担コストは10,000TP(一律1,000円)とされています(サイバーステップ社側の負担額はもう少し低いと思われる)

日本と海外で送料コストに少なくとも1,000円の差があり、手数で考えると約5手です。海外ユーザーが増えれば増えるほど同社の限界利益率は著しく低くなるのが海外送料無料の施策のデメリットと言えます。

  • 仕入原価800円+送料2,000円=2,800円(正味原価)

これは海外プレーヤーが無料で取って、無料の配送手続きを取った場合の概算コスト予測です。

サイバーステップ社側から見たときに、仮に無料でとられると最悪2800円の赤字(キャンペーン)となる可能性もはらんでいます。

もちろん送料については「纏めて配送」などでコストが下がる部分はあるものの、上司幹部から「原価率を下げろ、獲得率を下げろ」の指示の根本は「海外送料も7日に1度送料無料」という”ダメ施策その2″にあるのではないでしょうか。

海外プレーヤーにとってはキャンペーンですが、国内プレーヤーからすると負担にしかならない施策と言えます。

売上拡大とともに海外コストが増加し運営側の焦りも増えた?

トレバは当初、国内を中心に展開していましたが、台湾、東南アジア、北米、欧州(順番は適当)と徐々にそのサービスの域を広げるとともに売上を伸ばしてきました。

2018年3月には海外で有名な(?)ユーチューバーFBE(REPLAY)を活用するなど開拓に努めた結果、18期はQonQで売上が14%~29%増加するるなど破竹の勢いであったのは確かです。

2018年3月28日の動画

しかしながら利益面は不安定でした。

出典:サイバーステップ2020年5月期 決算説明資料

その理由の一つに継続的な倉庫増床やクレーン躯体への投資、広告宣伝費の投下、新作タイトルの開発費用というのは確かにあります。

最も売上高営業利益率が良かったのが2017年3Qで23.5%(2017年11月1日~2018年2月28日)。2016年はトレバの主要売上がまだ国内だった時期です。売上8.5億、営業利益は2億円でした。

2018年の2Qには売上16億、営業利益3億円と最高額を叩き出しますが利益率は18%。決して悪い数字ではないものの、この数字をピークに利益額も率も低いままです。

(2018年2Q→3Qについてはもう少し詳しく書きたいのですが、この期は莫大な配送遅延を起こして送料コストが3Qにずれた記憶です。3Qは売上18.6億、利益1.9億円と売上の伸びに対して利益はQonQで減少した)

同社はこうした利益率鈍化傾向から、いまだに抜けきれておりません。

詳細は株探などチェックして確認してください。

海外の送料無料施策を止めると売上減にはなると思いますが、限界利益率は間違いなく高まるはずです。

過大な海外送料コストを賄うために、有料課金ユーザーの手数を著しく増やさざるを得ないなら、いっそのことその施策は止めてしまうべきかなという持論です。

あとがき

長々と持論を展開しましたが、私自身トレバをプレイもしていましたし、株を持ったりもしていました。

トレバというオンラインクレーンゲームは一見ローテクながらも、レイテンシなどの問題をクリアしながら、世界中の人間が同時接続で楽しく遊べるユニークなビジネスです。

店舗型と比べて安い賃料の倉庫にクレーンを大量に並べてアプリやサイトを通じて24時間遊べるのも、ビジネスモデルとしては優れていると思いますし、大手含めて”トレバモデル”を真似する企業も少なくありませんでした。

そうした新規参入や拡大に伴う困難がありながらも、オンクレ市場ではトレバが現在もNo.1(勝手な意見ですが、他あれば教えてください)です。

市場の草分けでもあるので、ミスやトラブルがあるのも理解できなくもないですが「ねとらぼ」の記事を受けて、施策やカスタマーサービスなど、本質的なところでユーザーに寄り添った経営・運営が必要な過渡期にあるのではないかと思いました。

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