こんにちは。テゲレッド(@tegered1)です。
“因縁の”サイバーステップ株ですが、19年5月期の第3Q決算が4/15発表されました。
投資家として目先の結果を見ると、伸びしろのないゲームの特損があるなどムラのある損益計算書で残念なところもありますが、経営者的な目線としては社長の意図・意思が変わらず継続している面白い決算だなと感じました。
原価増が一段落 投資家は会社の出方を伺いたいところ
19年5月期は毎四半期2億円前後で原価が推移していたものの、20年5月期は従業員への給与アップ、中途含めた正社員採用を推し進めた背景があり、第4Q→第1Qで原価が倍以上になりました。
事業を行っている人や財務経理を担っている人なら分かるかもしれませんが、それなりの組織の会社の原価が売上を伴わずに3ヵ月で倍になることはそうそうありません。
業態の変化、新規事業へのチャレンジ、M&Aなど企業としての構造を替えるような変化がない限り、原価というのは売上の成長とともに同じような割合で上昇していくのが普通です。
そのため売上と原価の増加に相関が見られない珍しいゲーム会社特有の決算書スタイルかもしれません。
継続的な売上増の要因はトレバ事業の好調によるものですが、第4Q→第1Qにおいては売上成長が一時的に横ばいでした。
それでも佐藤社長は、他のゲーム開発費をソフトウェア仮勘定に振り替えて見栄えよくするテクニックや景品の仕入調整は実施せず、これまで通り会社ルールに則って開発費の多くを原価に計上したと見ています。※ソフトウェア(仮勘定)についてはモブキャストやドリコム等、同業他社を比較すると分かりやすいです。
ある意味、投資家から損益計算書について、何を言われようとも動じない姿勢を貫く意思を第1Qから継続して決算書で見せている気がします。
とはいえ第1Qで売上横ばいにも関わらず急激に原価が高騰したことから、投資家は同社株を敬遠。敬遠の理由は一度増やした原価(人件費)はそう簡単に落とせないことを多くの投資家が知っているからでしょう。
以降、株価は横ばい傾向にあります。一方で原価も横ばい傾向です。売上は伸びているので現物投資家はもう少しの辛抱でしょうか。
特別損失について
トレバ事業の伸び以上に、今も他ゲーム事業の伸びしろがないのが本株のダメなところです。投資家はトレバ事業の成長を見守りつつ、新作ゲームのヒットを伺う昨年と同じような展開です。
昨年~今年にかけて、新作は「暁のブレイカーズ」「ゲットアンプドモバイル」「トモトル」とありますが、特損2.7億円のうち大部分が私はゲットアンプドモバイルと見ています。
昨年、私はトレバ事業に加えて、ゲットアンプドモバイルの良さを訴えてきたわけですが、幕が開けてみると鳴かず飛ばずの甲斐あって、株価は下落し、私の自己資金はぶっ飛びました。
もうそれはどうでも良いのですが、今は特損により同社のB/Sを見ると現在は無形の固定資産(ソフトウェア資産がほとんど)が、特別損失の影響で6千万円しかありません。
これにより第4Qで大きな特損が降ってくることはないでしょうし、P/Lに影響を及ぼすほどの減価償却費に悩むこともないでしょう。
現在、グーグルマッププラットフォームを利用した位置ゲームを開発中のようですが、無駄にソフトウェア仮勘定が増えないことを祈るばかりです。
トレバには原価がなく、利益一部を開発費(原価)に投入している
売上増の要因は大部分がトレバ事業ですが、原価増の要因は人員増強して他ゲームの開発に注力している点にあります。
そのため売上増要因が「トレバ」、原価増要因が「他ゲーム開発費」となっており、売上原価に規則性がありません。
一方で、それはトレバに原価がほとんどないことを示しています。
トレバの事業で最も経費がかかるのは配送料とアルバイト人件費、そして倉庫代です。これについては販管費計上です。
考え方は強引ですが原価を決算書から抜けば私は利益が二桁億円は浮上すると思っています。投資家にとっては損益計算書が整うので嬉しい話です。
つまり、私の予想では、佐藤社長はトレバ事業で生まれるはずの利益を、損益計算書をトントンくらいに調整しながらトレバにも拡大投資を行いつつ、さらに別の開発にも投資している状況です。
私はこれについて不満がないと言ったらウソですが、もう少し何とかならないのかという気持ちで見ています。
信用買い残が発行株数の15%以上
超魅力的なトレバ事業を持ちつつ、別の投資が上手くいっていないサイバーステップ。
こうした「ムラ」も踏まえて、多くの投資家がトレバ事業の高粗利に対して興味を持っているがゆえに、信用買い残は発行株数に対して常に多く、4/5時点では発行株数の15%を超える120万株の残があります。
第3Qも経営陣としてはトレバで儲かった資金を別の事業へ投資し続けるという変わらないスタンスを貫いています。
一方で、そろそろ利益が浮上してくるのではないかという期待から、決算を跨ぐ投資家も少なくありません。私も過去そうでした。
私はいま同社株を持っていませんが、いまも同社の成長と潜在的な利益が浮上してくる瞬間を期待しています。
今回に限っては特損による影響も少なからずありますが、これからも監視を継続していきたいと思っています。
佐藤社長並びに従業員の方々には引き続き頑張ってもらいたく存じます。
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